スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

桜吹雪の風~第二章~?

 監視カメラも用心していたが、志水邸は昔気質のヤクザの屋敷のようだった。至るところに甲冑だの、虎の剥製だのが飾ってあって監視カメラをモニタリングしている人間が居たとしても―正面玄関はともかく、裏口からの侵入者があったということは気づいていないようだった―その可能性は少ないと三人とも踏んでいた。
「用心には越したことがねぇからな」
 三浦が平静かつ冷静に宣告する。やはり肝が据わっているようだ。
 志水組長の私室はあちらです。入り組んだ日本風の屋敷を迷いもなく、佳樹が案内する。
刑務所に入っていた三浦も、ほとんど敵対と言っていいほどの渡辺組幹部の木村も志水の私邸には足を踏み入れたことはない。佳樹のハッキングのお陰で手に入れた極秘資料と、その資料を暗記した佳樹の記憶力だけが頼りだ。
 途中、渡り廊下を通る。玄関にほとんどの舎弟が集まっているのだろう。玄関の方では何やら物音がするが、構ってはいられない。玄関口の舎弟のことを木村は気にしたが、銃を使わせているわけではないので警察の介入はないだろう。
「吉田、ここには監視カメラはないのか」
 真ん中を堂々と歩く佳樹に木村は確認した。三浦は周囲に気を配って歩いている。
「はい、ありません」
 その時、ごおっと風が吹いた。中庭に植えられていた桜の木から桜吹雪が散る。散った花は池に落ち、石灯籠の明かりを受けてピンクとも白ともつかない池の水面になっている。
―桜…不吉…かも―
 佳樹はそう思うが、そんなことは考えている場合ではないと思いなおし、
「この渡り廊下を突っ切れば、志水組長の私室です」
それだけを、言った。
「よし、これは俺達の出番だな」
「おめぇ、よくやってくれたよ。見張りに気づかれずにすむなんざ…俺はドンパチを覚悟してきたんだぜ」
 歩きながら、三浦が佳樹の瞳を切なげに見詰め、サラサラの髪の毛を撫でた。
 大きな乾いた掌の感触を髪で味わい、ヒクリとした熱が髪から背骨を伝い落ちる自分を感じていた。
―どうして、そんな瞳をするのだろう…―
 そう思ったが、
「確か、この部屋です。志水組長の部屋。」
 そう小さな声で二人に知らせる。
「よし、突入だ。三浦が先、俺がその後、そして吉田は、いざという時のために部屋には入るな」
 佳樹が反論する時間は与えられず、三浦は内部の様子を窺った後部屋に押し入った、ピストルを両手に持ち、もう一丁は腰のベルトに差し込んだまま。


スポンサーサイト

コメント

非公開コメント

プロフィール

こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

FC2ブログランキング
ランキングに参加させて戴いております。ご訪問の際ポチっと。とっても喜びます!!

FC2Blog Ranking

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カテゴリ
月別アーカイブ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。