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桜吹雪の風~第二章~?

「綺麗だ…ね」
 水面に視線を向けて佳樹は言った。佳樹の視線を辿って三浦が顔を向ける。
「…ああ、綺麗だなぁ。桜色の絨毯みてぇだ」
 三浦は足を止めた。辺りに人は居なかった。
 二人の視線が水面に向かう。
「桜って、散っていくところがよく、人の死に喩えられるでしょ。だから、三浦さんが飛び出して行った時、とてもとても怖かった。風が吹いて散ってしまう桜が…三浦さんにダブって…思えた」
 くしゅりと顔をゆがめた佳樹に、
「佳樹…」
 そう呼ばれるのは初めてのような気がして、顔を赤らめた。
「風が吹いたから、あんなに綺麗な水面が出来たんだぜ。美しいものを作るための風ってのもいいと思わねぇか。この綺麗な眺め、俺は一生忘れない。そして、今俺の腕の中に佳樹がいたことも」
 佳樹の頬を見詰めながら、そう言った。そして、ゆっくりと頬に唇を近づける。
 頬に唇の熱を感じたのはほんの一瞬だった。けれど佳樹にはその刹那の瞬間が、永遠に思えた。そして、三浦の言葉は佳樹の胸を温かくさせた。
「僕も一生忘れない。三浦さんが、僕を腕の中に閉じ込めたことも、この絵のような水面も…。心の中にずっと住み続けて、死ぬまで忘れない。風がこんな風景を作り出すんだね」
「あぁ、風が綺麗なモンを作るんだ。桜に風ってのは悪くねぇもんだな」
 そう呟くと、腕の力が強まった。
「もう、『三浦さん』は卒業しねぇか?俺だって、これからは佳樹って呼ぶ、構わねぇか」
「…じゃあ、三浦の兄貴って呼ぶの?」
「・・・馬鹿…ケンとかケンイチとか好きなように呼べ。
 それと……佳樹、おめぇに惚れている」
 思いも寄らなかった言葉に佳樹の身体が勝手に強張った。その感触を感じたのだろう。
「嫌…か…」
「…嫌じゃないっ!僕の方こそ…ケ…ケンイチさんのことずっと好きだった。多分、愛している」
 そう言って、佳樹は右手も三浦に絡ませ、自分から端整な薄い唇にキスをした。

 静寂の中、降りしきる桜が二人を包む。桜吹雪の風が二人を祝福するかのように周りを囲んだ。

重なった唇を少し離し、三浦が囁いた、少し不安そうに。
「家に帰ったら、佳樹を…抱いて…いいか」
 佳樹は、桜色の頬をもっと赤くして、
「う…ん」
 そう言って、腕の力を強くした。
「佳樹の頬、まるで枝垂桜みてぇな綺麗な赤だ」
 そう言って満足そうなキスをくれた。






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こうやま みか

Author:こうやま みか
素人の完全な趣味で「ボーイズラブ」小説を書き始めました。
全然上手くないのですが、コメント頂ければとっても嬉しいです。
またヤフーブログが本館扱いで、こちらでは当面(ってイツ?)旧作を掘り起こして掲載していきたいと思います。
著作権は放棄しておりませんので、無断転載などは禁止させて頂きます。何卒ご了承くださいませ。

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